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9月13日の日記を見る

2001年9月11・12日

実は今月からコンビニでバイトを始めた。
理由は、遊び過ぎて生活が危ういのと、北見に行くために
少しでもお金を貯めておきたかったからである。
いつものようにレジ打ち。
夜の11時過ぎ。一組の中年カップルが来店。
結構酔っている。
顔を真っ赤にして、おでんを選んでいた。すると

客 「兄ちゃん、知ってるか?」
♂ 「ハイ、何でしょう?」
客 「今アメリカが大変らしいぞ!
   ペンタゴンやニューヨークにハイジャックされた
   飛行機が落ちて、エラい事になってるみたいだぞ。」
♂ 「え?そうなんですか?」
客 「おぅ。だから早く精算してくれや。」

はっきり言って全く信じていなかった。
相手はしたたかに酔ったオヤジである。
せいぜい飛行機事故があって、デマが広がっているのだろう。
そう思っていた。
そのまま仕事を続けていると、携帯にメールが。
店の裏で見てみるとそこには【緊急情報】の文字。
しかもWebからの着信。
「日本時間午後十時。
アメリカ貿易センタービルに二機の飛行機が墜落。
その後アメリカ国防総省にも墜落。」
さっきのオヤジの言った事は本当であった。
急いで家にメール。
「アメリカについてわかったことがあったら教えて。」
続々とメールが届く。
「ピッツバーグにも墜ちた」
「まだ四機ハイジャックされている」
「ニューヨークは戦争のようだ」
バイトの同僚曰く、
「第三次世界大戦が起きるんじゃない?」
冗談に聞こえない。
朝、店に朝刊が届く。
目を疑う。
ビルに飛行機が突っ込む瞬間の写真や、逃げ惑う市民の写真。
家に帰るとさっきの写真が動画に変わった。
寒気を感じた。
テレビはひっきりなしに情報を流している。
日本人の生存確認と、墜落の瞬間の繰り返し。
それを見ながら、母親と会話。

母 「こわいねぇ。」
♂ 「一流商社のエリート、観光客、警察官、消防士、
   いろんな人がたった一時間でみんな死んじゃったね。」
母 「人の幸せってなんだろうね?
   ウォール街で働いて、バリバリ仕事して、他の誰もが
   羨むようなトコにいるのに、こんなことになってね。」
♂ 「・・・・・・・・・・」

僕に分かる訳がなかった。
まだ社会人でもないし、人生について・・・・・なんて深く考えたことなかった。
どうやって終わるのかなんて・・・・・結局寝ずに家を出る。
今日は部活の合宿で新十津川へ。
出発まで時間があったのでハートランドへ足を向ける。
やはり話題はアメリカの事。
ニュースを見ていて寝不足の人。
飛行機に乗るのが恐いと言う人。
「犯人はあなたでしょ?」と冗談を言う人。
様々である。
そんな時にTHE YERROW MONKEYの
「JAM」が店内の有線から聞こえてきた。
誰かがリクエストしたのだろう。

「♪外国で飛行機が墜ちました。
ニュースキャスターは嬉しそうに、
乗客に日本人はいませんでした。
いませんでした。
いませんでした・・・・・」

今回は歌詞のそれとは違い、日本人も犠牲となり、
嬉しそうなニュースキャスターもいない。
でも・・・・・テレビを見ていた人の中には・・・・・いたのかもしれない。
次に何が起こるかを期待して、まるで映画をみるような感じで・・・・・。
他人事じゃ済まない今回の事件。
経済や戦争、直接自分の身に影響が及ぶのもそう遠い話ではないと思う。
自分も含めて、もっと真剣にこの事件に向き合うべきだと思う。
最後に今回の事件で被害を受けた方々に対して、
お悔やみとお見舞いを申し上げます。

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