中学生以下日記 番外編

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事の発端は1ヶ月前の飲み会での家主の軽い一言。
『今年もチャリ旅行しちゃうか・・・』
酔っぱらって盛り上がってる中、そのポツリぐあいが逆に印象的で。
発端は、そんな感じ。


8月某日、午後8時。
大学のそばでルームシェアしている部屋にシェアしている3人が集まっていました。
暗い。
夜8時と言えば、8月でも外はもう暗い。
しかも、電気・ガスが止められているので、部屋も暗い。
扇風機も使えないので、暑い。
室温34度は耐えがたい。
そんな部屋の中、ロウソクを中心に3人でタバコをふかしながら談笑中、
家主の発言。
『いい機会だし、今からチャリ旅行、行っちゃうかい?』
本気だったんだ・・・と思いつつも、
お酒も入っていないのに、妙にテンションは高まり、
とりあえず、南へ、とだけ決定。
当然、3人とも予期していない展開だけに旅行の準備は皆無。
着替えもなければ、そもそもチャリで長距離走ろうという服装でもないのに、
2時間後の午後10時には出発にこぎつけているあたり、
22歳も案外、まだまだ若いのかもしれません。
(完全にノリだけ、ですけどね・・・)
かくして、3人は国道36号線をひたすら南へと向かい始めたのでした。


とりあえず、札幌を抜け、北広島、恵庭と、
途中、道の駅などで休憩も交えながら進んでいきます。
現在某大学歯学部4年、スキー部に所属している家主は
シボレーのマウンテンに乗っているせいか、余裕が見えます。
工学部3年の友人は6段切り替えのシティーサイクル。
上りはツラそうです。
僕は3段切り替えのママチャリ。
ハッキリ言って、しんどいです。(ちなみに 、3人は高校時代の同級生。)
日付変更線を越えた午前0時30分頃、とりあえず目安の目的地、千歳市街地に到着。

某ファミレスにてお食事です。
僕はパー○ー麺、家主は特製ジャワカレー、
もう1人はコーンポタージュにカレーパンを注文。
それにしても、相変わらず微妙・・・。
なんていうか、値段とミスマッチな感じがします。
けっこう高目なんだから、もうちょっとおいしいものが食べたいものです。
と、お店では口が裂けても言えない、貧乏学生の本音をつらつらと書いてみましたが、
実は、お店の中でもかなりの音量で話してたり・・・
ちょっぴりだけ傍若無人すぎたのか、
店員さんに睨まれている気がしてきたので、逃げるようにお店を出てきました。
さて、雨もぱらついてきたし、ここから宿探し・・・の予定だったのですけど、宿がない!
そもそも、ホテルなんかに泊まるつもりはないので、
「自遊空間」的なものを探してみたものの 、存在せず。
カラオケで妥協しようとしたところ、どこも午前4時には閉店。
使えないぞ、千歳。
必然的に前に進むことを強制された僕ら3人は、
雨も強くなってきた中、苫小牧を目指してペダルを漕ぎ始めたのですが・・・。

暗い!
千歳から苫小牧への道中、真っ暗です。
街灯がポツポツ。
ひどい所だと、1kmくらい街灯がないんです。
そもそも、3人ともライトのない自転車に乗っているのも悪いんですけど・・・。
まず、歩道の幅が解りません。
いつ、車道に落ちるかハラハラ。
対向車のライトは逆光になって、前を走っているチャリすら見えなくなります。
そんなことをしていると、僕は逆側に行き過ぎて、側溝にハマリました・・・。
友人は草むらに突っ込み、僕は再び、謎の有刺鉄線に引っかかり右肩から流血。
事故者2人からの負のオーラをものともせず、家主だけは無事。
強運というのは、麻雀だけに限らず羨ましいものです。
看板的には苫小牧市に突入したものの、雨は激しさを増しています。
そして、市街地が見つからずに迷子。
携帯のナビウォークを初めて使い、
午前4時30分頃、命からがら自遊空間に到着した頃には3人ともびしょ濡れ。
6時間パック1500円。
追加料金いくら払ってでもいいから、シャワーが欲しかったです・・・。


午前10時30分、実質2日目のスタートです。
3人、さらに南下し、一路、室蘭へ。
室蘭には友人がいるのです。
今年3月、晴れて日本が誇る国公立大学MITを卒業し、
そのまま室蘭で就職した彼に会うためチャリを漕ぎ続けます。
当然と言えば当然ですけど、やっぱり太陽が出ている間は体力の消費に拍車がかかります。
必然、休憩の回数は増え、ペースはダウン。
計算してないですけど、平均時速はガタッと下がったはずです。
なんとか太陽が出ているうちに合流、
室蘭の友人を含めた3人のスロッターはスロットをするため、
僕はラウンジで睡眠をとるためにパチ屋に侵入です。
3人とも勝つあたりが強運ですね。
晩ご飯に焼き肉を奢ってもらっちゃいました。
さて、このまま、室蘭の友人宅に行き、
平穏無事に1日を終える・・・のかと思ったその矢先、シティーサイクルの彼が暴言を。
『稚内、行こうか! 』
『行っちゃいますか!』
つい、口を滑らせた僕。
ノリって、恐ろしい。
高まるテンショ ン。
どこかに吹っ飛ぶ疲れ。
後先を省みない強さが若さだとするなら、
あのときの僕らは小学生、いや、幼稚園児並みの若さだったに違いありません。
3人ともバイトを控えていたこともあり、札幌に戻る期日は決まっていたため、
4つの脳を突き合わせて談合した結果、
室蘭の友人の車にチャリ3台、若者4人を乗せ、とりあえず稚内を目指すことに。
と言っても、彼の車はカローラU。
後部座席を倒し、トランク部分を整え、チャリ3台を積み終えた景色は壮観でした。
そして、そのすき間に入り込む3人。
それはそれはもう芸術的で、お見せできないのが残念なくらいです。
結局、リアは閉まらないので交代で押さえながら最北端の地へ。
午後9時、昨日はまだ札幌にいた時間、カローラUは走り出しました。


「日本最北端の地」というオブジェに旅の無事を祈ったのち、
3人は札幌に向かい、ペダルを踏み出します。
(室蘭の友人は一足先に車で札幌へ。
3人を送るためだけにかなりガソリン代を浪費させてしまいました・・・)
午前4時を過ぎ、白々と夜が明け始め、当面の宿敵・太陽が顔を出し始めました。
ハッキリ言って、要らない。
今日くらいは有給でもとってくれればいいのに、などと不毛なことを考えながらも、
潮風が気持ちよく、なかなか快適なサイクリングライフ。
右手に海を眺めながら、爽快にチャリを飛ばします。
でも、さすがに300kmを超える道のり、3人が3人ともだんだん無口になってくる・・・
かと思いきや、なぜかテンションは高めをキープ。
たしかに、太ももに疲労が溜まっているんですけど、
不思議とリタイアすることなく、前進前進。
ランナーズハイ、いや、ドライバーズハイ?とか思いつつも、
だんだんお昼近くなると、暑さがハンパなくなってきて、
頭の中に「♪つらいとき、つらいと言えたらいいのになぁ〜♪」て曲が流れ始めました・・・。
年齢と喫煙と日頃の運動不足を痛感。
それでも、誰1人弱音を吐くこともなく札幌に向かって邁進するのは、
友情のパワーでしょうか、それとも、男の意地でしょうか。
途中、謎の車にたらたらとストーキングされたり
(きっと、本当は僕らを応援してくれてたんだと思います、たぶん・・・)、
家主が休憩所で財布を落としたり(実は、僕が既に回収済み)、
シティーサイクルのチェーンが外れたりしましたけど、
無事、無事故、無違反、警察にも救急車にも消防車にもお世話になることなく、
札幌に到着しました。
総走行距離400kmオーバー。
「出会い」「自分探し」「他人探し(?)」と、
それぞれ目標を立てて臨んだチャリ旅行も午後5時頃、終了。
他の2人は目標を達成できたのでしょうか。
僕は・・・出会いなんてまったくありませんでした。


さて、札幌に戻ってきたのも束の間、
室蘭の友人、さらにチャリ旅行には家庭の事情で参加できなかったもう1人の友人も合流し、
5人は新札幌に新装オープンしたパチ屋へ。
4人のスロッターで7万円ほど勝ってもらい、またまた奢りで飲み会です。
つくづく強運・・・。
そこでカラオケ付きの個室に入ることができて幸せ。
僕以外4人の地元なので、中学校時代の後輩に会って幸せ。
店員の女のコが可愛くて幸せ、と幸せづくめ。
友人が店員さんに声を掛けてみてたものの、3コ年下でアウトだったみたいです。
そこまで強運ではないみたいですね、さすがに・・・。
それから麻雀して、徹夜明け、パンパンの太ももを引きずり、ハートランド勤務。
ちなみにその日はボコボコに負けました・・・。
チャリ旅行は思い出と人生経験にはなったけど、
麻雀上達には何の関係もなかったみたいです・・・。
て、当たり前ですね。


拙い文章、最後まで読んでくださって、ありがとうございました。


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