2002年9月3日
午後3時、僕は札幌駅にいた。
北見に向かうため・・・・・。
でもやり直せるなんてもう思っていなかった。
昨日、彼女の「決心」に耐えられず途中で逃げてしまった僕。
逃げないために、これからの自分の為に、
最後に会って話がしたかった。
午後7時過ぎ、北見に着く。
彼女に連絡。やはり驚いていた、がすぐに彼女はやってきた。
近くの喫茶店にひとまず落ち着く。
| ♂ 「・・・・・急に押しかけてゴメン。」 |
| ♀ 「うん。ビックリした。」 |
| ♂ 「昨日はゴメンな。途中で電話切ったりして。」 |
黙って首を横に振る彼女。寂しそうな笑みを浮かべながら。
♂「・・・・・本気で彼のことが好きなのか?」
しっかり首を縦に振る彼女。
| ♂ 「今だけの感情じゃないんだね?」 |
| ♀ 「ウン。」 |
| ♂ 「・・・・・後悔しない?」 |
| ♀ 「・・・・・。」 |
| ♂ 「俺を嫌いになった?」 |
首を横に振る彼女。涙をこらえながら。
♂ 「・・・・・よかった。
嫌われてたらどうしようかと・・・・・。」 |
♀ 「嫌いになんかなれないよ!
好きで好きで本気だったから、かえって・・・・・。」 |
| ♂ 「ウン。わかった。」 |
| ♀ 「・・・・・ゴメンナサイ・・・・・。」 |
♂ 「正直辛かったよ・・・・・
前にこういう話したことあったよね?
どちらかが別れ話をした時の事。
あの時俺は、何があっても別れない。
絶対に振り向かせて見せる。
そういったよね?
そしてあなたは、はにかみながら頷いてくれた。
昨日今日、その時の事ばかりが頭を過ぎっていた。
最初は意地で別れないつもりだった。
そうする事があなたも望んでいると思っていた。
でもね、それは違うって気付いた。
これ以上、俺が側にいようとすればするほど、
あなたは悩み、傷つき、苦しんでしまう。
そんな姿を見るのを、俺は望んでいない。
だから、もう、あきらめた。
あなたの『決心』を受け止める事が、
最後のあなたに対する愛情であり、
俺の『決心』だから・・・・・。
今までありがとうね。」 |
二人とも泣いていた。
でもすぐに笑顔に戻った。
なんか久しぶりにお互いを信頼し合えた時間だったと思う。
札幌行き最終電車。
もう二度とこれに乗る事は無いんだろうな。
こうして彼女が見送ってくれる事も・・・・・。
彼女に会う事も・・・・・きっともう無い。
定刻通り、電車は北見を後にした。
泣きながら別れた。
さようなら・・・・・本当に、ありがとう。
大好きだよ。だから・・・・・サヨナラ。
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