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11月8日の日記を見る

2002年11月6日

S.V.氏から電話が入った。
「緊急の用事があるのでちょっと事務所まで来てくれないかな?」
何だろう?また怒られるような事したかな?
メチャクチャ緊張しながら事務所のドアを開ける。

S 「非常に申し訳ないが、頼み事があるんだ。」
♂ 「はぁ。なんスカ?」
S 「以前君にあげたダイスーシー
   (寿司ネタ麻雀ゲーム)。今ドコにある?」
♂ 「はァ・・・・・カノ・・・・・元カノの所ですけど・・・・・。」
S 「申し訳無いけど彼女に連絡を取って
   それを貸してもらいたいんだ。」
♂ 「え?・・・・・。」
S 「TVの収録に使いたいんだけど、
   もう製造していないらしくて手に入らないんだ。」
♂ 「いや・・・・・しかし・・・・・。」
S 「わかってる。辛いとは思うんだが・・・・・頼む。」
♂ 「・・・・・分かりました。聞くだけ聞いてみます。」
S 「ありがとう。わかり次第連絡してくれ。」
♂ 「・・・・・ハイ。」

・・・・・辛い。
せっかく振り切って考えていたのに。
もう、連絡取らないって決めたのに。
でも・・・・・電話をする大義ができた?
いや、そんなのズルイな。
でも、声を聞きたい自分がいる。

その日の夜。まずメールをする。
「ちょっと用事があるんだ。電話するから出てください。」
返事がすぐに来る。
「わかった。」
2ヶ月ぶりの会話。
緊張、困惑、期待、そして・・・・・。

♂ 「もしもし?」
♀ 「・・・・・もしもし?」
♂ 「久しぶり。元気にしてた?」
♀ 「・・・・・うん。」
♂ 「風邪なんかひいてないか?」
♀ 「少しだけ喉が痛い。声出しすぎかな?」
♂ 「気をつけなよ・・・・・。あのさ・・・・・。」
♀ 「・・・・・なぁに?」
♂ 「前にあげた麻雀のゲームあるしょ?
   ほら、お寿司の絵が書いてある。」
♀ 「・・・・・あぁ。あれかぁ。」
♂ 「まだ・・・・・持ってる?」
♀ 「当たり前でしょ。大事にしまってあるよ。」
♂ 「悪いけどさ、家に送って欲しいんだ。
   必要になってさ。」
♀ 「・・・・・うん。わかった。」
♂ 「ゴメンな。急に電話して。」
♀ 「そんな事無いよ。嬉しかったよ。」
♂ 「・・・・・。」
♀ 「・・・・・どうしたの?」
♂ 「・・・・・『嬉しい』とか、言わないでよ・・・・・
   辛くなるから。」
♀ 「・・・・・ゴメン。本当にゴメンね・・・・・。」
♂ 「イヤ、コッチから電話しといて勝手だよね。
   ゴメン。もう・・・・・しないから。」
♀ 「・・・・・。」
♂ 「悪いけどお願いします。ありがとう。」
♀ 「・・・・・何が?」
♂ 「電話に出てくれて。
   それじゃ、元気でね・・・・・バイバイ。」
♀ 「・・・・・うん。ゴメンね。」

・・・・・。
振っ切れてなんていやしなかった。
ものすごく後悔していた。
別れた事、電話した事、声を聞いた事。
僕の中に無理矢理閉じ込めていた感情が一気に溢れた。
涙が止まらなかった。
大声で泣いた。
辛かった。情けなかった。
そして、ようやく、彼女を、諦める事が、できた。
多分・・・・・。

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